2021.01.18

カラムシ(冬)

土間のアトリエは寒い。
冬は石油ストーブの熱で、パンを焼いたり、お茶を沸かしたり、少量だけ染める時は植物の煮出しをしている。

アトリエの前の空き地は、人の手が入ってない。鳥たちが運んでくるのか、クサギの実など、京都市内ではなかなか見かけない染料となる植物が多くある。
夏の間2メートルにもなり、霜が降りると一気に枯れていく植物が、どうやら野生化した「カラムシ」かもしれないと知ったのは最近のこと。
カラムシは古くから植物繊維を取るために栽培されてきた植物で、茎の皮から採れる繊維は麻などと同じく重宝されてきたそうだ。
今日は、冬の枯れたカラムシで染めてみた。

ストーブの熱で、いつも以上にゆっくりと煮出す。
赤みのある茶色が抽出された。アルミ媒染でオレンジがかったベージュ。次は夏の青葉の色を見てみたい。

2020.04.08

オニノゲシ

そわそわ、つい携帯でニュースを見てしまう。ラジオで、手を動かすと心が落ち着くと、心療内科の先生が話してた。アトリエのまわりの雑草で染めてみる。たんぽぽのような花を咲かせるけれど、これはオニノゲシ。明治時代にヨーロッパから来た外来種。トゲがあり、茎が空洞になっている。花、茎、葉、全て一緒に煮出す。アルミ媒染で、花弁に似た黄色。鉄媒染で茎に似た緑。

2020.03.29

よもぎ

アトリエの線路沿い、桜は満開。春の大風に、桜が揺れる。心もサワサワ揺れる日、庭のよもぎの葉で染めてみる。部屋中、若い緑の香り。アルミ媒染で緑がかった黄色、鉄媒染で緑がかった灰色。春が溶けた。草木を眺めて、手を動かして、食べて、よく眠る。

2019.11.13

冬青②

2日間寝かせた冬青の抽出液は、酸化によって赤く変化していた。青々としていた緑葉から、こんなに鮮やかな赤が出るのかと台所で歓喜。染め上がりは、アルミ媒染で薄赤色。鉄媒染で紫がかった灰色。寝かせて、待って、出会えた色。

2019.11.10

冬青

冬青、ソヨゴと読む。葉がそよそよと風に揺れる音でソヨゴ、漢字は常緑樹で冬でも葉が青々と茂っているので冬青と書く。染料としては、青い葉から赤色が染まる魅力的な植物。1回目、火にかけると薄黄色の液が抽出された。鍋の横に集まるアクは、少し赤かった。赤色を抽出するため、染液を寝かせてみる。

2019.10.27

ビーツ

道の駅で発見して、しばらく冷蔵庫で眠っていたビーツで染める。ビーツの赤の色素「ベタシアニン」は、水に溶けやすい性質があるけれど、見た目の割に染まりにくい。水洗いの工程で、残念ながら色素が流れた。アルミ媒染で、桜貝みたいな淡いピンク色。

家の台所での染色は、アトリエでの染色に比べてより実験的。冷蔵庫を眺めて、まあやってみよう、という調子で始まる。ほうれん草を茹でたりするのと同じ感覚で手が動く。

2019.07.31

桐の葉

通るたびに気になっていた、大きな葉の正体は、桐だった。葉一枚で50cm、一枚だけ頂戴した。かつては、女の子が生まれたら桐の木を庭に植え、結婚のときにその材を使って箪笥を作って嫁ぎ先に持たせるという風習があったそうだ。アルミ媒染で緑がかった黄色。鉄媒染で茶色。

Archive
Tag List