2023.09.01

9月は京都恵文社

京都恵文社さんでのPOP UPが近づいてきました。今回は、コテージでのワークショップやおすすめの本の選書など、新しいことにもチャレンジします。
ワークショップの募集も、恵文社さんnoteにて受付が始まりました。
下記、恵文社さんInstagramより引用です。

【予告】【9/16-29】haru nomura sacks and bags works exhibition 「柿渋」

緑繁茂する夏が終わりへ向かうころ、生活館ミニギャラリーでは草木染めかばんをおもに手掛けるharu nomuraの展示会を開催します。

今年のテーマは「柿渋」。染め重ねることで生まれる強度や耐久性、使うごとに柔らかに変化し、持ち主とともに味わい深く育っていく。草木染めの中でも最もharu nomouraらしい、ブランドを象徴するような色です。

柿渋染めは普段は染めたままの茶と鉄媒染を施した墨の二色ですが、今回は柿渋の持つ色の豊かさをより感じていただけるよう、多色展開でご紹介します。茶から墨へ、自然の大胆さと繊細さを内包したグラデーションを触れて、見て、ぜひ感じてください。

今回は「旅するかばん」「柿渋染め和紙のブックカバーとしおり」を中心に、定番トートや巾着、これまでに登場した「Pocket」「Flattote」も並びます。「柿渋」というharu nomuraを象徴するテーマとともに、これまでの歩みもお楽しみください。会場では本好きな野村さんの「大切な本」もご紹介予定。いつもより少しパーソナルな一面の見える展示になりそうです。

そして、イベントスペースコテージではWSの開催も。夏から秋へと移り変わる季節、草木染めを通して夏の名残と秋の予感を楽しんでいただけるよう、三種の植物をご用意します。その場に集まったみなさんと、その時にしか出せない色を楽しむ。人と色、偶然の出会いに心躍らせつつ、ご来場をお待ちしております。

NHK「趣味どきっ!染めものがたり」での柿渋の回の放送や京都新聞のインタビュー掲載など、ますます活躍されている野村さん。会期中は在廊日もございます。初めての方も、愛用されている方も、ぜひ色々お話してみてください。

●おもなラインナップ
旅するかばん 7色(柿渋染め) *受注
ブックカバー(柿渋染め) *受注
定番トート
Pocket
Flattote
巾着

*お渡し:11月下旬ごろ

9/23(土)13:00-15:00
haru nomura 草木染めWS
「身の回りの草木で染めよう!」〜ローリエ・ブルーベリー・どんぐり〜
¥3,000 10名

詳細は

会場:恵文社一乗寺店 コテージ
教えてくれる人:haru nomura 主宰・野村春花さん(草木染め作家)
持ちもの:エプロン・染めたいもの 150-200gほど(綿か麻、絹に限る)
※汚れてもよい服でご参加ください
※小学生のご参加は保護者同伴でお願いいたします

【haru nomura – 野村春花さんより】

「柿渋」はharu nomuraのかばんを代表する色です。柿渋とは未熟の青い渋柿の果汁を長期間発酵させた、日本古来の伝統的な塗料・染料です。防水、防腐、補強効果を持つため、酒袋、番傘、漁網、建築物の塗料として、また民間薬として、火傷、あかぎれ、解毒に効くとして日常的に使われてきました。このように柿渋は、美しいというよりは実用性が大切にされてきた染料です。柿渋の機能性と、素朴さ、使い込むことで生まれる質感は唯一無二。今回の展示では柿渋染めをメインに、茶〜灰〜墨色で定番のかばんを染め上げます。

写真:堀井ヒロツグ

haru nomura
草木染め作家・野村春花さんによる、かばんを軸としたブランド。東山に小さな土間のアトリエを構え、全国各地のギャラリーや店舗で展示会を開催。NHK「趣味どきっ!染めものがたり」では柿渋の回に出演。長野出身、京都在住。

haru nomura sacks and bags works exhibition 「柿渋」
2023年9月16日-9月29日(※最終日は14時まで)
作家在廊予定:9月16日 17日 18日 23日(いずれも13-16時まで)
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

haru nomura 草木染めWS
「身の回りの草木で染めよう!」〜ローリエ・ブルーベリー・どんぐり〜
2023年9月23日 13:00−15:00
恵文社一乗寺店 イベントスペースコテージ

●これまでの展示
「haru nomura」(2014年)/「ふくろとかばん」(2020年)/「スロウトリップ」(2021年)/「Layer」(2022年)

2023.09.01

haru nomuraと人 vol.15 安野真理恵(User)

haru nomuraの周辺の人たちにスポットを当てたインタビュー形式のコラム「haru nomuraと人」。第15回目のゲストは、Userの安野真理恵さんです。

今回Instagramに投稿された1枚の写真がきっかけで、インタビューを依頼することになりました。その写真には、異国であろう地に佇む男性の後ろ姿と、旅するかばんが映っていました。写真に目を奪われて、思わずメッセージを送りました。

やりとりをしていくうちに、写真に映っていたのはご本人ではなくパートナーであること、写真の旅するかばんは誕生日プレゼントとしてパートナーに渡したものであること、写真を撮影した地はアイスランドであること。そして何より、安野さんとパートナーの旅が、人生が、とても豊かであることがわかりました。安野さんと、初めてやりとりをした気がしないな〜と思ったら、過去に思わぬ繋がりもありました(インタビューを読んでみてくださいね)。

今回は初めて持ち主ではなく、プレゼントとしてかばんを贈った安野さんにお話をお聞きします。ご自身の暮らしについてや、アイスランドへの旅について、プレゼントを選ばれたときのことについて丁寧に答えてくださりました。写真も素敵なので、ぜひじっくりとご覧ください。

Q.普段の暮らしやお仕事について教えてください。

東京で6年間グラフィックデザイナーをしていました。今年の春にデザイナーを辞め、一年ほどは働くことから離れてみようと思っています。社会に出てからデザインの仕事しかしてこなかったこともあり、身体を通した体験や経験の少なさが気になっていました。そのため一度しっかりと立ち止まって、自分に意識を向けてあげる時間が必要だと思い、この一年は自分の心が喜ぶこと・心地よいと思えることに素直に従ってあげることにしました。アイスランドへ行ったのも仕事を辞めてすぐのことです。わたしの旅はアイスランドから始まりました。

Q.haru nomuraのかばんをプレゼントに選んだ理由。

パートナーとのお付き合いが始まったばかりの頃、直近で彼の誕生日が迫っていました。プレゼントを渡したいけれど、わたしは彼とこの先どんなことがしたいのだろう…と考えたところ「二人で旅がしたい」と思い至りました。それは物理的に旅をすることもそうですが、人生を旅感覚で楽しんでいける関係性でありたいという思いがありました。そんな時インスタグラムで haru nomura さんの 旅するかばん の投稿が流れてきて、これだ!とビビッときて、すぐに購入させていただきました。大切な人に、自分の想いがそのまま形となって伝えられるプレゼントというのは、中々ないように思います。彼も遠出する時は旅するかばんを使ってくれていて、その姿を見るとわたしも嬉しくなり、出会えたことに感謝しています。

Q.アイスランドの旅について。

アイスランドはイギリスのさらに北西にある、北海道と四国を足したくらいの大きさの島なのですが、国道1号線という島をぐるりと一周している道があります。5月にキャンピングカーを借りて、2週間かけて島を一周してきました。キャンピングカーにはキッチンもベッドも付いているので、立ち止まったところがすぐ家になるという感覚が何とも身軽で心地よく、移動しながら小さな家で暮らしているようで楽しかったです。

また、アイスランドの風景は地球ではない何処かの惑星のようと言われるほど、普段日本に住むわたし達が見ている地球とは異なる世界が広がっています。いつからか時々、人類が誕生する前や、反対に滅んだ後の世界に想いを馳せて、心が安心することがありました。そういった意味でアイスランドは人や文化の痕跡が少なく、ただただ広大な大地や海が広がり続けている国なので、自然と心惹かれたのだと思います。

特に印象に残っているのは、島の南側の外れにあるDyrhólaeyという半島から見た海です。この半島は鳥たちが繁殖のために滞在する場所のため、訪れた時は鳥たちの世界にお邪魔しているような感覚でした。深い霧と強い風に包まれながら30分ほど歩き続け、半島の先に到着すると、今まで見たことのない灰色一色の海が広がっていました。母なる海という言葉があるように、どこか海には母性のようなものを感じてきたのですが、ここから見た海は全てに完璧な無干渉で、ただただ圧倒的な存在としてそこにありました。温度を感じない、けれど恐怖を感じることもない、何かの感情が生まれることさえ憚られるような圧倒的な存在を前にし、生まれて初めて言葉が出なくなる体験をしました。そして地球上で一番強い物質は海なのだと理解しました。あの海を見るためにアイスランドへ行ったんだなと今は感じています。

Q.かばんのお気に入りのポイントは。

旅するかばんをプレゼントとして購入したいと相談のメールをさせていただいた際、野村さんから「カラーはプレゼント用であれば、染料で染めていない生地そのままの色である生成が良いかと思います。何年かは生成で使用し、馴染んできた頃に、今度は彼が自分の好きな色に染め直して、新たなかばんとして楽しんではいかがでしょうか」と提案していただきました。色選びで迷っていたので、野村さんのお話がしっくりと来て、色は生成を選びました。
購入した時に完結しているのではなく、購入してからも変化していく余白のあるところに魅力を感じています。野村さんが自然と関わり作り出す、光あふれる優しい色たちの中で、私たちの旅するかばんは何色に変化するのだろうとゆっくりとその時を待っています。

Q.さいごに

武蔵美に行く前に、野村さんと同じ大学に2年間通っていました。覚えてらっしゃらないかと思いますが、実は一度だけ野村さんからお声を掛けていただいたことがあります。わたしが学内の長い坂道をカートを使って荷物を運んでいたところ、野村さんが「大丈夫ですか?」と声を掛けて下さり、坂の上まで一緒に荷物を運んで下さいました。もう10年ほど前のことですが、心温かくなる出来事だったため、今でも記憶に残っています。あの時感じた野村さんの自然体な優しさと柔らかい雰囲気が、haru nomura さんの商品全体に流れているように感じています。

【Profile】
1992年大阪生まれ。2017年武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。卒業後は出版社とお茶メーカーにてグラフィックデザイナーとして働く。2023年デザイナーを辞める。直近の目標はニュージーランドにある島の南北を貫く3000kmのハイキングコースに挑戦すること。

【Instagram】
nut.of.rice

2023.08.15

はぎつぎとつぎはぎ

今週末は、大阪西成でkioku手芸館たんすとのコラボかばんのお披露目です。
87歳中田さんのテキスタイルを、野村がかばんに仕立てたシリーズです。
デニムを解体してつくったので「つぎはぎ」でなく「はぎつぎ」。
全て1点ものの全20点。ぜひ手に取ってみてください。

今回は一切染色はせず、かばんの造形のみを担当しています。いつものharu nomuraとは少し違う切り口のものの作り方、ご覧いただけますと幸いです。

※通常のharu nomuraの商品は今回準備がありませんので、あらかじめご了承ください。

【HAGITSUGI DENIM BAG】
kioku手芸館「たんす」とharu nomuraのコラボレーションで新しいバッグが出来ました。バッグの素材は、デニム生地のパッチワーク。kioku手芸館「たんす」に通う中田さんが、長年縫い合わせストックしていたものです。中田さんの造形を生かし、できるだけハサミを入れずにharu nomuraがバッグに仕立てました。全て1点ものです。

【展示販売会】
8/18(金)・8/19(土)・8/20(日)
Open13:00~Close18:00
kioku手芸館「たんす」
〒557-0001 大阪市西成区山王1丁目11-5 元・鈴木タンス店
アクセス:地下鉄御堂筋線 / 堺筋線「動物園前」駅 [2]番出口より徒歩5分

【ワークショップ「おしゃべりなかばん」】
持ち寄った布を、おしゃべりしながら分け合って、生地をつなげてかばんをつくりましょう。布にまつわるエピソード、嬉しい記憶も悲しい記憶も、隣り合ったり重なりあったり。仕上がったかばんは、沢山の記憶を語りかけてくる。世界に一つの、おしゃべりなかばん。
日 時 8/20(日)
午前の部10:00-13:00 *9:50 受付開始 / 午後の部14:30-17:30 *14:20 受付開始

場 所 kioku手芸館「たんす」
講 師 野村 春花(haru nomura主宰)
参加費 3,000円(お茶付)
定 員 午前の部6名、午後の6名(要申し込み/先着順)
持ち物 古着や不要な布・切れ端など、裁縫セット  
*「たんす」にある端布や裁縫道具もご使用いただけます。
お申し込み方法 
参加日の前日までに、お名前・午前or 午後の部・人数を明記のうえ、メールにてご連絡ください。
E-mail:info@brk-collective.net

テキスタイル制作:中田さん

かばん制作:haru nomura

モデル:牛尾さん+木綿さん

カメラマン:衣笠名津美さん

スタイリングと広報物デザイン:Studio Kentaro Nakamura

企画・事務局:一般社団法人 brk collective

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