2024.07.07

イベント

作品と生活のあいだ—”5 essays”ができるまで

本展「5 essays」は、草木染めのかばんブランドharu nomuraによる、VOUでの初個展です。この展示では、haru nomuraを主宰する野村春花と、その周辺の5人(ペインターや写真家、美容師やデザイナー)との対話から生まれた新作が展示されます。

本展で発表されるかばんは、これまでの野村が一人目のユーザーとして作るかばんとは異なり、他者との言葉を交わす過程を経て作られました。そしてその対話は、「ユーザー」と「かばん作家」の括弧を外した、ひとりとひとりが向き合うことから始まりました。「商品企画」から始まるのでもなく、また一方で「オーダーメイド」でもなく、ひとりの生に向き合って生まれたかばんたち。それは、モノから生活をつくるのではなく、生活からモノをつくる試みであり、言い換えれば生活が内包する人の弱さや、草木染が内包する色の弱さを肯定しながらモノをつくる試みでもあるのです。

仲村健太郎(Studio Kentaro Nakamura、展示共同企画)