2023.06.01
haru nomuraと人vol.12真里さん(User)
haru nomuraの周辺の人たちにスポットを当てたインタビュー形式のコラム「haru nomuraと人」。第12回目のゲストは、長年haru nomuraのかばんをお使いいただいている、ユーザーの真里さんです。
実店舗のないharu nomura。定期的に開催しているPOPUPや展示会が、実際に商品を手にとってご覧いただける唯一の機会です。POPUPは商品のお披露目の場でもあり、お客さまと対面してお話しできる機会でもあります。
今回インタビューをお願いした真里さんは、いつもお母様と二人で展示会にお越しいただいており、馴染みのお客様の一人です。本当に、素敵なお母様と娘さん。親子というよりも、仲良しの親友同士のようなお二人。それぞれに似合うかばんをお互いに選びあっている姿がいつも眩しく、お会いした当初からそのキラキラとした時間が印象に残っています。展示会の際には、いつも使い込んだharu nomuraのかばんで来てくださり、その変化を眺めるのが私の楽しみでもあります。
今回は真里さんに普段の暮らしや、お使いいただいているharu nomuraのかばんについてお聞きしました。
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Q.普段の暮らしについて教えてください。
京都で暮らし始めて今年で10年が過ぎました。転勤族だったので、ここまで長く同じ地で生活をしたことがなかったことに最近気が付きました。
平日は大阪で働いています。早朝にまだ人が歩いていない橋を渡りながら、鴨川と山を眺めることが日課です。早起きが苦手で毎朝慌ただしく出かけていますが、いつもそこで気持ちを一旦落ち着かせることができます。空気が澄んでいて今日は山がよく見えるな、川床の準備が始まっているな、等々。季節の移り変わりや自然の様子を真新な状態で向き合うことは、京都で暮らしてからとても増えたように思います。
休日は京都市内をあちこち散歩していることが多いです。コロナ渦で好きだった海外旅行が難しくなり、改めて身近な場所を見つめ直すようになりました。
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Q.haru nomuraのかばんとの出会いについて。
8年ほど前、野村さんが取り上げられていたTV番組を母が偶然見ており、私が好きそうだと教えてくれたことがきっかけです。穏やかなカラフルさと、ユーザーに寄り添うブランド理念にすぐに惹かれました。展示会も行ける距離だったのでその日のうちに伺いましたが、売切れだったのでオーダー注文で後日受け取る形になりました。そのときに購入したのが定番トート大です。大学通学時はこのかばん以外使用しなかったほどお気に入りでした。
私は昔から持ち物が多いうえに、荷物を分けて持ち歩くことが苦手なので、野村さんが作るかばんはぴったりでした。見た目以上の収納力で、たくさん入れてもかばんの形が柔軟に対応してくれます。今は定番トート以外のharu nomuraのかばんも色々使っていますが、野村さんが作ったかばんを使わない日がほとんどないほど生活に溶け込んでいます。
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Q.haru nomuraのかばんにまつわるエピソードがあれば教えてください。
「おこめのふくろ」は体に沿う形がお気に入りです。通勤時の電車内で座れたときはつい寝てしまいます。そんなとき「おこめのふくろ」を抱きしめて枕にしてしまうことが多々あります。パンを入れていたことを忘れてつぶしてしまったときもありますが…。
どのかばんを使うときも内側のポケットに鍵と携帯と定期券を入れています。「おこめのふくろ」にはポケットがなかったので、購入して1週間後にポケットの付け足しを野村さんにお願いしました。まだ使い込んですらいないのにこんな依頼をしてしまうのは失礼かもと正直ドキドキしたのですが、野村さんは大変快く応じてくださりました。ポケットの位置や形、縫い方、色などたくさん提案してくださり、とても満足がいくポケットが出来上がりました。野村さんの使用者に全力で寄り添ってくださるところが私は大好きです。
「おおきなかばん」は旅行の必需品です。旅先で増えた荷物を帰りに全部ひとまとめにできてすっきりします。これ以上になんでも入るかばんはありませんし、これ以上に大きなかばんを持ち歩いている人も今のところまだ見たことがありません!
また、野球観戦で写真を撮ることが好きで、望遠レンズを持って行くときがあるのですが、そのときもこのかばんを使っています。球場の座席は狭いので、荷物を取り出した後に小さくできるところが最適です。かばん自体がとても軽いので重さも負担になりません。なんといっても1枚の絵のような見た目と配色がお気に入りです。
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Q.好きなモノやコトはありますか。
地域に根差した食べ物に昔から惹かれます。日本だけではなく、世界各地のその土地特有の料理や特産物、銘菓を食べることが好きです。旅先で食べたものを自分で作って再現してみることも好きです。老舗店の包装紙や缶、箱、ラベルはついコレクションしてしまいます。旅行の楽しみのひとつはスーパーに寄ること。その土地の食卓を垣間見ることができる場所なので、どのコーナーも隈なく見てしまいます。中でも海外旅行先のスーパーは没頭のあまり3時間近くいて同行者に呆れられたこともありました。
テディベアもずっと好きで、所持しているほとんどは東ドイツ時代のものです。顔のパーツが密集気味なところが特徴的で可愛らしくて癒しです。
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Q.さいごに
かばんの耐久性が弱まることや、陽に当たって色が変わってしまったことに対してマイナスに捉えがちでした。特に私はひとつのかばんに荷物を詰め込みがちなので、「自分の使い方が良くなかった」「もったいなかった」と思うことが今まで多々ありました。しかし、野村さんの制作を通して、月日を経て変化していくことのおもしろさに気づかされました。展示会で野村さんに会う度に、かばんの色や生地の変化を見てもらうことも楽しみになっています。最近は、次に会うときまでにもっと変えて驚かしたいくらいの意気込みになってきています!
また、気軽にメンテナンスをしてくださる安心感と心強さは絶大です。自分が使いやすいように、でも大切に、どんどん自由に思い切って使っていこうと思えるようにもなりました。私のもったいない病は野村さんに解消してもらったと言っても過言ではありません。ありがとうございます!
これからも野村さんの制作活動を楽しみにしております。
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【Profile】
真里
1994年冬生まれ。
あんこはこしあん派。たい焼きは頭から食べる派。
2023.05.27
雑誌掲載・NHK出演のお知らせ
いつも応援してくださっている皆様へ、お知らせがあります。
5/26に全国発売となりました、NHKテキスト『趣味どきっ!染めものがたり』に野村春花の仕事が掲載されております。
8人の草木染め作家の色を追った企画で、野村は『柿渋』をご取材いただきました。
全12ページ、とても丁寧にご紹介いただいております。また、身近な創作として、ハギレを使った「アートなカード」他をご提案させていただきました。
また、雑誌の発刊と合わせ、6月〜7月にNHKの趣味どきっ!のTVも放送となります。Eテレ毎週水曜日午後9:30-9:55の放送で、全8回です。他7組の作家さんの仕事を拝見できるのが今から楽しみです。野村は第6回目の放送で、7/12(水)となります。また放送日が近づいてきましたらお知らせさせてください。
憧れだった皆様のお名前の中に、自分がいること。
夢のようで、いまだにふわふわと実感がありません。
今回取材していただいたライターさんカメラマンさん、皆様、本当に素敵な方々で。
取材される側としてプロの仕事に触れられたことも、今回の収穫でした。
ぜひ書店でお手に取って、また7月にはTVでご覧いただけますと幸いです。
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【雑誌掲載】
『趣味どきっ!染めものがたり』NHK出版、2023年
【TV出演】
Eテレ『趣味どきっ!染めものがたり』
第6回目 野村春花 柿渋 かばんは時を刻む
日時:7/12(水)午後9:30-9:55、再放送7/19(水)午後0:15-0:40
2023.05.22
haru nomura handworks exhibition 「te no ri」
次回展覧会のお知らせです。
展覧会を開催する「月ノ座」は、編集者・文筆家の村松美賀子さんが主催する生活とアートをつなげる実験の場です。
京都大学の側、築100年木造2階建ての洋館アパート「白亜荘」の一室にあります。
今回は、かばんでもふくろでもない「te no ri」という実験的な手の仕事をお披露目いたします。
コラージュのように繋ぎ合わせた、愛でるためのカタチです。
3日間の開催、よろしければぜひお越しください。
haru nomura handworks exhibition
「te no ri」
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2023/06/10(sat)~6/12(mon)
Open 13:00~Close18:00
月ノ座 @白亜荘
〒606-8316
京都市左京区吉田二本松4-6 白亜荘2階19号室
※10日は「白亜荘も十日市」の開催日です
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ひたすらに、愛でたいもの。
野村春花さんは、野山で採ってきた植物などで、綿や麻などの天然素材の布を染め、かばんをつくっている。
野村さんのかばんはシンプルで、使い込むほどにその人になじんでゆく。布はくたっとやわらかくなり、かたちもちょ
っと変化する。カンガルーのお腹の袋のような、あるいは衣服の一部であるような、何、とは定まらないおもしろさが
ある。
まだ春の浅い日に、今回の打ち合わせをしていたら、「手のりのふくろ」はどうでしょう、と野村さんが言った。染色
した布や革の端切れをつかって、コラージュするようにつくる、小さなふくろ。想像がふくらんで、わくわくした。
しばらく経って、野村さんが試作を届けてくれた。ドローイングをするような感覚で、手から生まれでたかたち。なん
ともいえず愛らしく、すぐに手のひらにのせる。布や革の質感もさまざまで、さわっていてたのしくなる。手のひらで
つつみこみ、ステッチの跡をなぞったりもして。もちろん、中に大事なものをしまってもおけますが、何よりも、ただ
ひたすらに愛でていたい。そこには、野山を歩いたり、布を染めたり糸で縫ったりと、いくつもの創作の時間がぎゅっ
とつまっているようで、それもうれしい。
村松美賀子(月ノ座)
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