haru nomuraについて
インド茜の木の根っこ、ログウッドの幹、ヤマモモの樹皮、柿渋、クローブ、インド藍……。わたしたちの足元に根を張り、静かに呼吸する植物たちが、haru nomuraの色のみなもとです。
綿や麻などの天然の素材を、植物染料による手染めで染色し、かばんをつくっています。草木染めで染まる色は、草花のいのちよりずっと永く、けれども永遠ではありません。太陽の光や摩擦などの影響を受けて、ゆっくりと変化します。
帆布や麻を使い、直線縫いを基本に仕立てるかばんは、丈夫でかろやか。年月を重ねるほどに、色も、布の質感も、より柔らかく変わってゆきます。ひとつひとつ、時間をかけて手仕事から生まれるかばんが、一年、十年と、時を経て持ち手の暮らしに馴染み、育ってゆくように。布に生まれるただひとつの風合いを愛おしいと感じ、大切にしたいと考えております。
かばんの健康診断
かばんをより長く、心地よい状態でお使いいただくために、かばんのお直しをお受けしております。
傷の修理や、染め直しのほか、必要に応じてポケットを付け足したり、持ち手を補強したり、時にはまったく異なる色に染め変えることもあります。目指しているのは、使う人に寄り添うかばんに「作りなおしていく」メンテンスです。
おおらかな袋
haru nomuraらしいかばんのかたちを探し求めるその道すがら、目をとめたのは、人々の生活の営みから生まれた、シンプルで、使う人にとって心地のよいかたちでした。
例えば、昔ながらの米袋。工事現場でタフに働くコンテナバック。 ふらっと散歩にでかけたいときにあったらうれしい、そんな気分のままに想像したのはポケットのような四角い袋。身の回りにある道具の観察や、ユーザーとの対話にヒントを経て制作したかばんは、どれもが“袋”のようなおおらかさをもっていることが特徴です。
また、定番の商品を作る傍ら、製作中に出たきれはしを主役にした、アートピースのような一点物のかばんも作っています。性別や、年齢を問わず、haru nomuraのかばんが幅広い選択肢を持ち、自由に、使ってくださるその人の人生に染まってゆくことを願っています。